ナカハラ・ユウスケ。本名、江戸頌昌(エド・ノブヨシ)。美術評論家。
2011年3月3日、戦後の現代美術界を牽引(けんいん)し、東野芳明、針生一郎と並び「美術評論の御三家」のひとりに数えられた、美術評論家連盟会長の中原佑介さんが、病気のため死去。79歳。
1931年8月22日、兵庫県生まれ。京都大学大学院で理論物理学を専攻していたが、在学中の55年、美術出版社の第2回美術評論賞の公募に応じた論文「創造のための批評」が第一席に入賞したのを機に、美術評論へ転向。70年にはその後の美術界に大きな影響を与えた第10回日本国際美術展(東京ビエンナーレ)「人間と物質」を組織。76年と78年のヴェネチア・ビエンナーレ日本館のコミッショナー(展示責任者)を務めるなど活躍し、水戸芸術館総監督、京都精華大学学長、兵庫県立美術館館長などを歴任。雑誌「季刊フィルム」、「芸術倶楽部」の共同発行でも知られる。著書に「ナンセンスの美学」「見ることの神話」「現代芸術入門」など。