2012年の運航を目指して、三菱重工業が開発を進めている、国産初の小型ジェット旅客機。03年からNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成事業「環境適応型高性能小型航空機プロジェクト」として研究開発が始まり、08年度から11年度までは、経済産業省が機体開発費総額の約30%(400億円)を補助金として拠出する。MRJは、新型エンジンを搭載し、大幅な燃料コストの削減を図り、機体の30%には炭素繊維が使われる。座席数は70~90席、大きさは90人乗り仕様で、全長35.8m、翼長30.9m、全高10.0mである。07年6月の第47回パリ国際航空ショーには、客室のモックアップ(実物大模型)と20分の1スケールモデルが出展され、国際的にアピールした。リージョナル・ジェットとは、都市と都市をつなぐ地域間航空機で、大規模な空港施設が不要で、運航のコスト面、需要面からも、乗客100人以内の中・小型ジェット機が使われる。開発以来40年を経過したYS11機が引退する中、日本国内では、カナダのボンバルディア社とブラジルのエンブラエル社の機材が、リージョナル・ジェットとして運航されているが、ボンバルディア機の事故が続いていることから、安全性が高く、コストパフォーマンスの優れたリージョナル・ジェットが求められている。