2010年4月19日に発表された、三次元映像(3D)を安心・快適に楽しむための安全指針。電子情報技術産業協会(JEITA)、3Dの普及団体3Dコンソーシアム(3DC)、産業技術総合研究所がまとめた。3D映像視聴安全ガイドライン、3D映像安全指針、3D安全ガイドラインなどとも記されるが、正式な名称は「人に優しい3D普及のための3DC安全ガイドライン」。3Dは、左右の目に別々に映し出された画像を脳が再構成することで立体に見せる仕組みだが、立体感を強調しすぎると目の疲労や不快感が増すほか、激しい動きでは映像酔いが起きることもある。ガイドラインは、3Dの本格的な普及を控えて、視聴に際しての注意点を周知させ、トラブルを防ぐねらいがあり、視聴者、映像制作者、テレビメーカーのそれぞれに向けて配慮すべき項目がまとめられた。そのおもな内容をあげると、視聴者には、(1)目を疲労させないために、画面に対して顔を傾けずに水平を保ち、テレビの正面で視聴する、(2)視力が発達段階にある幼児の視聴は、大人が時間を管理する、(3)違和感を覚えたら視聴を控える。映像制作者には、(1)立体感を強調しすぎるような映像を作らない、(2)2台のカメラでの撮影は縦方向のずれを抑える。メーカーには、(1)左右の目専用の映像が反対側の目に見える割合を小さくする、(2)映像を素早く切り替え、ちらつきや残像感を抑える、などとなっている。なお、ガイドラインは、今後も継続的に改良が進められる。