アジア太平洋経済協力会議(APEC)に参加する21の国と地域における共通の成長戦略。2009年にシンガポールで開催されたAPECで、アジア太平洋地域の内需を拡大し、安定的で均衡のとれた成長を達成するため、包括的な成長戦略を策定することで一致。10年11月に横浜市で開かれたAPEC首脳会議で具体的内容が議論され、合意した。成長戦略は、(1)マクロ経済政策や構造改革で不均衡を解消する「均衡ある成長」、(2) 中小企業への支援や、女性・若者・高齢者の雇用機会を確保する「あまねく広がる成長」、(3)環境の保護やグリーン経済への移行を推進する「持続可能な成長」、(4)情報通信技術の利用や知的財産権の保護による「革新的成長」、(5)テロ対策や感染症対策、食料安全保障を強化する「安全な成長」の5本柱で構成。これらの戦略を着実に実現するため、11年にアメリカで開催されるAPECで、15年までの行動計画を分野ごとにまとめ、毎年、進ちょく状況を確認して、最終年に首脳会議に報告する。この成長戦略については、APEC首脳会議の首脳宣言「横浜ビジョン」にも明記された。