2011年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、政府が同年4月11日に設置した経済被害についての対応を検討するための組織。正式名称は「原子力発電所事故による経済被害対応本部」という。同本部は全閣僚で組織され、本部長に海江田万里経済産業相が就任。副本部長には枝野幸男官房長官、野田佳彦財務相、高木義明文部科学相が就いた。事務局長は「本部長が指名する副大臣」との規定により、鈴木寛文部科学副大臣が指名された。原発事故による被害者への損害賠償を検討する組織には、ほかに同日発足した「原子力損害賠償紛争審査会」があり、本部で損害賠償に関する大枠を検討し、審査会で具体的な指針を策定する。本部の初会合は4月15日に行われ、東京電力に対し、避難住民らへの賠償金仮払いを早期に開始するよう要請。これを受けて東京電力は、当面の必要な資金を「仮払補償金」として、1世帯当たり100万円、単身世帯には75万円を支払うと発表した。