農作物を施設内で計画的に栽培する植物工場には、太陽光利用型と人工光源利用型(完全制御型)があるが、人工光のなかでもLED(発光ダイオード)を使用して育てることをいう。LED栽培は、天候に左右されやすい太陽光利用型はもとより、同じ人工光でも蛍光灯や水銀灯の使用よりも利点が多い。まず挙げられるのは、消費電力が少なく長寿命なことからコスト削減ができること。また、LEDは発光波長の幅が狭く、単色の光を発光させることができることから、目的にあった照射ができる。たとえば、赤色光は露地物に比べてビタミン類を、青色光はポリフェノールなど抗酸化物質を多く含むようになるという。2012年、植物工場向けに開発された、LEDの最適な光照射法であるShigyo法が話題となったが、横浜の電子部品販売会社のキーストーンテクノロジーが開発した栽培用のLED照明器は10年から南極の昭和基地で使用されている。さらに東京では、12年1月には玉川大学と西松建設が提携しLED農園の事業を開始、13年3月には京王電鉄も昭和電工製のLED光源を使い試験栽培を開始するなど、広がりを見せている。