JR東海とJR西日本が共同開発した新型新幹線。2007年7月1日から東京~博多間で運行開始。従来の700系をベースに最新技術を採用し、到着時間の短縮を実現すると同時に、快適な乗り心地や環境性能、省エネルギー化も大幅に向上した。速度を落とさずにカーブを曲がり、かつ、遠心力による乗り心地の悪さを解消するための「空気バネ式車体傾斜システム」、自車の位置情報をより正確に把握するための「新ATC」(ATC Automatic Train Control 自動列車制御装置)、新ATCで得た情報を各車両に迅速に伝達するための「制御伝達装置」などを採用。これら最新技術の導入により、減速を余儀なくされていたカーブ区間でも270km/hで走行することが可能になり、東京~大阪間の所要時間が5分短縮された。また、走行抵抗を低減するために、先頭形状のデザインに航空機の開発で利用される空力シミュレーションを鉄道車両として初めて採用、「エアロ・ダブルウィング形」という独特のデザインになった。その他にも「電力回生ブレーキ」による電力消費量の軽減(700系より19%減)、二酸化炭素排出量の軽減(航空機の10分の1以下)など、環境面でも大きく貢献している。サービス面でも、モバイル機器用の電源コンセントを約750カ所に設置、旅客機のビジネスクラス並みの新型シートを採用、車内でインターネットが利用できる(09年春より)など、充実した車内空間を実現している。