産業再生法は、事業の再構築や中小・ベンチャー企業支援など、業界再編を後押しする目的で制定された法律。企業が国に事業計画を提出して認定を受けると、企業再生のための資金繰りや税制などの優遇措置を受けられる。当初は、2003年3月までの時限立法として1999年10月に施行されたが、その後、2003年、07年に期限延長や内容見直しなどの改正が行われた。正式には産業活力再生特別措置法とよばれ、産業活力再生法ともいわれる。08年秋からの世界的な経済危機が日本経済を直撃し、大手製造業などが軒並み業績不振に陥ったことから、一時的に業績不振となった企業の救済を図るための手段として同法の活用が着目され、09年4月22日に改正法が成立した。改正法では、新たな企業支援策として、一般企業への公的資金による資本注入が盛り込まれた。国から産業再生法の認定を受けた申請企業は、日本政策投資銀行が優先株や優先出資証券を引き受ける形で資本注入を受けられる。支援の条件としては(1)従業員が連結で5000人以上か、そうした企業に代替不可能な部品を納入、(2)08年10月以降、売上高が四半期で20%以上あるいは半期で15%以上減収、自己資本が25%以上減少して新規借り入れが困難、(3)3年で企業価値が向上する事業計画を策定、(4)民間金融機関が協調して融資・出資して企業を支援、があげられる。支援企業が破綻して損失が生じた場合には、5~8割を、国が100%出資する日本政策金融公庫の資金で穴埋めする。改正法では、資本注入以外に、認定企業への民間金融機関の融資に債務保証をつける制度の拡充、省エネ投資への優遇税制の導入、埋もれた先端技術や特許の活用を支援するための官民投資ファンド産業革新機構の創設、中小企業再生支援のため、たとえば旅館のような許認可の必要な営業業種の譲渡では許認可の継承を認める制度の導入、などが盛り込まれた。