長期間、金の出し入れがない預金口座の総称。睡眠口座とも言われる。休眠口座の預金は休眠預金、または睡眠預金と呼ぶ。休眠口座になるまでの期間は、金融機関によって異なる。たとえば、りそな銀行の場合、最後の預け入れ、または払い戻しから2年以上出し入れのない普通預金口座(総合口座を含む)を休眠口座にするとしている。また、ゆうちょ銀行の場合は、民営化した2007年10月1日以後の預金は、最後の預け入れや払い戻しなどから10年以上放置された口座は休眠口座となる。同年9月30日以前の郵便貯金で、満期を過ぎたものについては、10年間経過すると案内が送付され、満期日から20年経過しても放置していると「権利消滅のご案内」が送付される。その後、2カ月を過ぎても払い戻し請求がない場合は、その郵便貯金の権利は消滅し、国庫へと入る。(社)全国銀行協会では、休眠口座への移行までの期間を一律10年以上とし、1万円以上の預金があり、かつ預金者と連絡が取れない口座と、1万円未満の口座を対象にしている。なお、預貯金の払い戻しの消滅時効は、商法では5年(商法522条)、民法では10年(民法167条1項)と定められているが、休眠口座になっても、通帳があって本人であることが確認されればいつでも払い戻しは可能だとされている。12年2月、政府は金融機関の休眠口座の預金を起業支援などに活用する検討を開始、大きな話題となっている。一部を東日本大震災の被災地での再生事業や公益活動に回すなどの案も浮上しているが、金融機関の負担や預金者の権利など課題も多い。日本では毎年約850億円の休眠預金が発生しており、このうち実際に払い戻されているのは350億円程度だと言われている。諸外国では基金を設立し、休眠預金を公共事業や福祉事業に活用しているところも多い。