2008年12月12日に成立し、17日に施行された、金融機関に対して公的資金を予防的に注入するための法律。04年8月に施行され、08年3月に期限切れとなった金融機能強化法の改正法で、財務基盤の弱い地域金融機関などに対して公的資金で資本を増強することで、中小企業などへの貸し出しをしやすくさせるねらいがある。改正法のおもな内容は、(1)資本注入の申請をする金融機関が提出する経営強化計画に、中小企業向け融資の拡大を明記する、(2)協同組織金融機関の上部組織となる信金中央金庫、全国信用協同組合連合会、労働金庫連合会、農林中金への公的資金注入の仕組みを新設する、(3)当初の経営計画を2期連続で下回ると、業務改善命令の対象となる、(4)資本参加枠は旧法の2兆円から12兆円に拡大、(5)申請期限は2012年3月末まで、など。厳格な経営責任を求めた旧法は2件の申請しかなかったことから、改正法では、中小企業への貸し出しは当初計画よりも上昇すればよい、計画目標未達成でも一律には経営責任を問わない、など、資本注入の条件が大幅に緩和されている。金融不安の広がりで地域金融機関の経営が急速に悪化し、景気の後退も鮮明になるなかで、金融システム不安の再燃や貸し渋りへの歯止めとなることが期待されている。