災害に見舞われた現地の人々に、地域の復興のために働く仕事を提供し、労働の対価を支払う支援プログラムのこと。被災者の自立支援とともに被災地の復興ともなる事業で、2004年のインド洋大津波で被害を受けたインドネシアや、08年にサイクロンで被害を受けたミャンマー、10年のハイチ大地震などの災害現場で、多くのNGOや国連機関などにより実施されてきた。金銭面だけなら義援金を配ればよいが、被災者自らが郷土復興のために働くことによって、悲嘆や不安を乗り越えたり、生きがいを取り戻したりできる面もある。これまでは途上国などで実績を挙げてきたが、11年3月11日の東日本大震災後、東北地方で、NGOや自治体などでつくる東北広域震災NGOセンターが、CFWを開始した。震災で職を失った人を雇い、一人暮らしの高齢者などの自宅でがれきや泥の撤去を行う事業などに取り組んでいる。1854年の安政南海地震で大きな被害を受けた紀州広村(現和歌山県広川町)で、しょうゆ製造業の濱口梧陵が、私財をなげうって大規模な防潮堤の建設を行い、被災者を雇用したケースも、キャッシュ・フォー・ワークの典型という。