揮発油税は、1949年成立の揮発油税法によって、ガソリンに課される税。ガソリンの価格に含まれる四つの税のうち、揮発油税と地方道路税をあわせて、特にガソリン税と呼ぶ。揮発油税など、自動車に関連する税の大部分は、高度経済成長期の54年に、当時衆議院議員だった田中角栄元首相らによって、その使途を道路の整備に限定する道路特定財源とされた。揮発油税は、2007年度の税収見込額が約2兆8000億円にのぼり、道路投資総額の約3割を占めている。石油ショック後の1974年には、ガソリンの消費を抑えるためと、道路整備のための財源の不足を理由に、租税特別措置法が制定された。これによって、道路特定財源の多くに期限付きの暫定税率が導入され、本来の税率である本則税率を上回る課税が可能になった。以降、暫定税率は繰り返し期限が延長されており、2008年2月現在、揮発油税の本則税率は1リットル当たり24.3円だが、暫定税率分の24.3円を加えた48.6円が課税されている。揮発油税の暫定税率は08年3月末に期限を迎えるため、08年の通常国会ではその延長問題が争点となっている。