2010年6月22日に菅直人内閣で閣議決定された、今後10年間にわたる財政健全化の道筋。国債などの借金を除く毎年の税収により、国と地方が公共事業や社会保障などの政策的経費をどの程度まかなえているかを示す基礎的財政収支(プライマリーバランス)は、10年度で30.8兆円の赤字だが、この赤字幅を15年度までに対GDP比で半減し、20年度までに黒字化することが目標。この目標達成のために、(1) 11~13年度までの3年間は、一般歳出と地方交付税を合わせた支出を10年度当初予算(70.9兆円)以下に抑える、 (2) 11年度の新規国債発行額は10年度の水準(44.3兆円)に抑制する、などとした「中期財政フレーム」を盛り込んだ。加えて、(1) 21年度以降、国と地方の債務残高を低下させる、(2)所得税や法人税、消費税など税制の抜本改革を早急に決定する、などが主な内容となっている。同時に発表された内閣府の試算では、このまま1%台の低い経済成長率が続いた場合は、基礎的財政収支の赤字は20年度で21.7兆円に増え、黒字化を増税で達成しようとした場合は消費税率で8~9%の引き上げが必要となる。