中日本高速道路(NEXCO中日本)が整備を進める、東京~名古屋を結ぶ有料高速道路。1987年、混雑が常態化していた東名高速道路を補完する目的で計画が立てられ、95年に着工された。第2東名と呼ばれた時期もある。東名高速道路と並行して神奈川県海老名市の海老名南ジャンクション(JCT)~愛知県豊田市の豊田東JCT間約254キロを結ぶ。2012年4月14日、このうちの御殿場JCT~三ヶ日JCT間162キロが部分開通した。新東名は高速走行時の快適性や安全性を追求し、渋滞を生むカーブや坂道を少なくした直線的な道路設計が特色で、直線部分を長くとるため、高架橋やトンネルの占める割合が、東名の2割に対して6割と高い。また、最大勾配は東名の5%に対して新東名は2%、急カーブも東名の半径300メートルに対し、新東名は半径3000メートルとなっている。開通区間には11カ所の新インターチェンジが設置され、3JCTで東名と接続する。サービスエリアとパーキングエリアは計13カ所が設けられ、うち12カ所にヘリポートが整備されているのも特色となっている。新東名を経由した場合、東京~名古屋間の距離は東名経由より10キロ短縮され、所要時間も10分短くなる。距離が短縮されたため、料金も普通車が新東名経由、東名経由ともに東京~名古屋間で現行より200円安い6900円に引き下げられた。新東名の目的とされた渋滞解消について、NEXCO中日本では、東名の同区間のこれまでの1日の交通量約7万4000台が、開通後は新東名約4万1000台、東名約4万2000台となり、年間約2500回を数える1キロ以上の渋滞はほぼ解消するとの試算を発表している。また、東日本大震災以降、災害緊急時の交通ネットワークの確保も注目が集まる。新東名は東名より最大で10キロ内陸部を走るため津波の被害を受けにくく、東海地震など災害時の代替輸送路として期待されるほか、東名と新東名のダブルネットワーク化は天候悪化などによる通行止めにも効果が期待される。なお、新東名の全線開通は2020年度の予定。今回の開通部分の総事業費は2兆5710億円で、全線開通時の総事業費は4兆3800億円が見込まれており、巨額な事業費の回収を懸念する声もある。