菅直人内閣が2010年6月18日に閣議決定した20年度までの成長戦略。09年12月に鳩山由紀夫内閣が発表した「新成長戦略」の基本方針に具体策を盛り込んだもので、副題を「『元気な日本』復活のシナリオ」とした。菅首相が掲げる「強い経済」の実現に向け、20年度までの名目の国内総生産(GDP)成長率を平均3%超まで引き上げるとともに、失業率を早期に3%台に低下させるとの目標を示し、法人税の実効税率を主要国並みに引き下げることや、11~12年度中のデフレ脱却を目指すことなども打ち出した。具体策としては、(1)環境・エネルギー、(2)健康、(3)アジア、(4)観光・地域活性化、(5)科学・技術・情報通信、(6)雇用・人材、(7)金融の7つの分野で約330項目の政策を提示。これらの政策を実施することで、20年度までに計123兆円の新規市場を創出し、新たに約500万人の雇用を生み出すとしている。また、「環境未来都市」の創設や「パッケージ型インフラ海外展開」など、とくに経済成長に貢献度が高いと考えられる21の施策を「国家戦略プロジェクト」とし、優先的に進めることにした。