本来食べられるにもかかわらず、食べ残しや、食卓に出されて消費されることなく直接廃棄されることを食品ロス、もしくは食料ロスともいい、食品全体に対する食品ロスの割合を食品ロス率という。食品ロスには一般家庭内由来のものと外食産業由来とがある。家庭内での発生要因は、過剰調理の結果廃棄される食べ残しや、賞味期限切れなどの理由による直接廃棄のほか、調理過程で生じる食材の皮や腐敗部分など不可食部分の除去による過剰除去である。一般家庭の食品ロス率は、直接廃棄0.6%、食べ残し1.0%、過剰除去2.0%、合わせて3.7%(2009年)となり、年次推移では03年4.8%、04年4.2%、05年4.1%、06年3.7%、07年3.8%と微減傾向にあるがきわめて高い。世帯員構成別では、単身世帯が4.8%と高く、2人世帯4.2%、3人以上世帯3.4%と、成員が多いほど低くなる。外食産業で生じる食品ロス率は、食べ残し量を食品使用量(提供量)で除して百分率で表す。外食産業の食品ロス率は、食堂・レストラン3.2%、結婚披露宴13.7%、宴会10.7%、ホテル・旅館14.8%(09年)となっており、一般家庭と比較すると実質消費量を上回って過剰供給される奢侈的、衒示的消費(conspicuous consumption)の傾向が見られる。また外食産業ではコンビニなどの売り場で、一定時間が経過すると廃棄処分にされる食品ロスもあるが、正確な調査結果はない。農林水産省の試算によれば、売れ残りや返品が原因で廃棄される食品廃棄物は、食品製造業、食品卸売業、食品小売業の3業種合わせて11%とされる。