原則45歳未満の新たに農業を始める人を対象に、年間150万円を給付する政府の支援制度。新規就農者の確保と定着を目的として、2012年度から新設された。12年度の予算枠は総額104億円。就農前の研修期間(2年以内)を支援する「準備型」と、経営が不安定な就農直後(最長5年)を支援する「経営開始型」がある。準備型では、都道府県が認めた農業大学校などの研修機関や、先進農家、先進農業法人でおおむね1年以上(年間1200時間以上)研修を受け、農業経営者となることに強い意欲を示していることが条件となる。適切な研修を受けていない場合や、研修終了後1年以内に独立・自営就農または雇用就農しなかった場合、給付期間の1.5倍(最低2年間)の期間、就農を継続しなかった場合などは、給付金返還の対象となる。経営開始型は、新規に独立・自営就農を開始する人だけでなく、08年4月以降に就農した人も対象となる。就農から5年以内に農業で生計が成り立つ実現可能な経営開始計画を提出することや、市町村が作成する人・農地プラン(地域農業マスタープラン)に地域の中心となる経営体として位置づけられることなど、いくつかの要件を満たす必要がある。年間所得が250万円以上になった場合や、適切な就農が行われなかった場合には、給付が打ち切られる。