労働者と労働組合の権利擁護を目的として、全国の弁護士により組織されている日本労働弁護団が、2009年7月17日に公表した、派遣労働の過酷な実態に関する報告書。契約期間を残しての突然の解雇(派遣切り)や長期間の雇用継続後の雇い止め、退職と同時に寮や社宅などの住まいを失うケース、セクハラ・パワハラや、多重派遣などの違法派遣といった、71の事例を紹介している。不況が深刻化した08年秋以降に、ホットラインなどで同弁護団などに寄せられた相談を、ケースごとに分類している。3カ月ごとの更新で9年間勤務し、正社員と同内容で同等以上に働いたのに、「不況で会社が大変だから」と雇い止めされた、など不安定な雇用に関する事例は37件にのぼった。裁判などで争われているケースも25件あった。08年末から09年にかけて東京・日比谷に開設された「年越し派遣村」に来た相談も取り上げている。A5判20ページで、1部100円で10部以上から販売するほか、日本労働弁護団のホームページでダウンロードもできる。