2010年10月16~17日に新潟市で開かれたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)初の食料安全保障担当相会合で採択された、「APECの食料安全保障に関する新潟宣言」のこと。会合には21カ国・地域の農相らのほか、国連食糧農業機関(FAO)、国際農業開発基金(IFAD)、世界銀行など国際機関の代表者も参加。鹿野道彦農林水産相を議長として、「農業の持続可能な発展」と「投資、貿易および市場の円滑化」をテーマに討議を行った。採択された新潟宣言では、07~08年に起きたような食料価格の急騰や人口増、気候変動の悪影響などにより、「世界の食料安全保障は岐路(きろ)に立っている」と危機感を表明。農業生産性の向上や技術革新などによる食料供給力の拡大や、開発途上国などの地域社会が投資者などとともに利益を得られる「責任ある農業投資」を促進すること、などが盛り込まれた。会合では同時に、実行に向けて各国が取り組む62の具体策を示した行動計画もまとめられた。