東京電力が開発した電気自動車(EV)向け急速充電器の充電規格のこと。名前はcharge(充電)とmove(動く)を合わせた造語で、「お茶を飲んでいる間に手軽に充電が済む」という意味も込められている。チャデモの特徴は、EVと充電器の間で通信を行い、EVに搭載された電池を管理するコンピューターの指示で、充電時の電池残量や温度を確認しながら最適な状態に充電電流をコントロールできること。これによって電池の特性や充電状態に応じて電池にダメージを与えずに急速充電ができる。充電時間は、約10分の充電で50~60キロ走行でき、30分で電池容量の約80%の充電が可能となっている。チャデモ方式の国内での普及や規格の国際標準化をねらって、2010年3月には東京電力やトヨタ自動車、日産自動車など大手自動車メーカーを含む158社・団体がチャデモ協議会を設立した。急速充電器には国際標準規格がなく、アメリカ、ヨーロッパ、中国でも独自規格が進められており、電流の種類や充電の手順などが異なる複数の規格が存在する。しかし、実用化段階に達しているのはチャデモのみのため、日本発技術の国際標準化として、大きな期待がかけられている。10年末には、アメリカ政府が実施するEVの走行実験にチャデモ方式の急速充電器が採用されたことが明らかになっている。