東日本大震災復興特別区域法に基づき、宮城県と岩手県がそれぞれ創設を申請し、2012年2月9日に認定された震災復興特区のこと。宮城県が創設する民間投資促進特区は、県と34市町村が共同で復興推進計画を作成して、389地区での「復興産業集積区域」設定を申請し、審査の結果、323地区に統合して全国で初めて認定された。税制の特例が主で、自動車関連産業や高度電子機械産業、食品関連産業など、ものづくりに関連する産業8業種が対象となっている。雇用している被災者に対する給与などの支給額の10%を税額控除する法人税特別控除や、沿岸15市町村に新設する企業は5年間法人税が免除される新規立地促進税制、開発研究用資産の減価償却費の12%を税額控除する研究開発税制などを内容としている。岩手県が創設する保健・医療・福祉特区は、県内全域で医師や看護師を医療機関に配置する際の基準を緩和したり、沿岸12市町村で薬局の設置面積の基準緩和や、訪問リハビリテーションの開設者に関する要件緩和、介護老人福祉施設などの医師の配置基準の緩和を行う。これらの特例により、医師確保が困難な病院の経営支援や住民の健康保持、高齢者などへの介護・福祉サービスの確保を目指している。復興特区としては、このほかにも青森県が4市町と共同で「あおもり生業(なりわい)づくり復興特区」を、岩手県が産業再生特区を申請している。