700~900メガヘルツ帯の周波数のこと。ビルの陰や山間部でも通信が途切れにくいため、携帯電話などの移動体通信に適した周波数帯(frequency band、バンド)とされる。その貴重さから“プラチナ”の冠がついた。現在、携帯電話大手のうち先に事業に参入したNTTドコモとKDDI(ブランド名はau)の2社が800メガヘルツ帯を割り当てられている。総務省は、携帯電話やスマートフォンなどの移動体通信による通信量が増加していることから、新たな周波数帯を確保するため700メガヘルツ帯と900メガヘルツ帯の再編を進めている。具体的には、地上波アナログ放送が地上デジタル放送へ移行したことに伴う周波数の“跡地”を使うほか、RFID(ICタグ)など既存無線システムの周波数を移行することなどで、移動体通信が使用可能な周波数の拡大を目指す。900メガヘルツ帯は2012年春に1社、700メガヘルツ帯は同年後半に2社へ割り当てられる方針で、上限を1000億円とする周波数の入札を実施することが決まっている。こうした新たなプラチナバンドの割り当てをめぐり、携帯電話各社がしのぎを削っている。11年9月6日、総務省は8月に募集した同周波数帯への参入希望事業者を公表。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、イー・アクセスの携帯電話大手4社がすべて参入を表明した。