政府や電力会社に節電を要請された企業が、自家発電設備の余剰電力を電力会社に売り、買い取られた分を他の地域にある事業所や工場などの節電分としてみなすことができる制度。2011年11月、政府のエネルギー・環境会議が取りまとめたエネルギー需給安定行動計画を受けて、経済産業省が、企業の自家発電設備を活用し、節電による生産活動などへの影響を軽減することを目的として設けたもの。政府や電力会社によって数値目標付きの節電を要請されている期間が対象となる。電力の買い取り価格は、企業と電力会社との協議によって決まる。節電が必要な工場と自家発電設備とが異なる電力会社管内にあっても同制度が適用される。12年6月12日に、同制度初の事例として、日本製紙グループ会社が関西電力および四国電力と電力需給契約を締結。同社の八代工場(熊本県八代市)で発電した余剰電力3000キロワットを両電力会社に送電し、両電力会社管内にある同社グループの計14事業所の節電目標を達成する。