「植物工場」とは、外部から閉ざされた施設内で、太陽光かそれに代わるLED(半導体レーザー)などの光源と空調設備や養液など、植物の育成に必要な最適な環境を自動制御装置で作り出し、効率的かつ安定的に一年中生産する仕組みのことで、農業地域のみならず、工業団地や商店街の空き地などにも設置が可能な、野菜の生産システムのことである。従来のそれが「工場」と称されたように比較的大規模で、消費者の視線からは見えないバックヤードに設置されていたものに対し、ミニ植物工場は、冷蔵庫や大型液晶テレビ大のスリムスタイルで、レストランなどの飲食店や食品店など、消費者にも見えるロケーションに設置したり、オフィスや自宅のリビングルームでも野菜の栽培が可能なシステムであり、いわば見せる植物工場のことをいう。丸紅は、有機人工土壌「ヴェルデナイト」を使った「ヴェルデナイト式植物工場システム」を1台120万円台で商品化しており、大きさは幅120cm×高さ195cm×奥行き95cmで、ハーブやレタスなら60株、ラディッシュなら160株を育成することができる。こうした商品が出現する背景には、ノギャルブームや、農業体験ができる農家民宿に代表されるグリーンツーリズムなどの農業ブームや、不況による家ごもりや、巣ごもり消費があるとされる。