多種多様の生物が互いにつながりをもって共生する生態系保全の観点から、開発で失われた自然を、別の場所の自然保護で埋め合わせる生物多様性オフセットへの取り組みを主導する国際的活動。民間企業による自主的な生物多様性オフセットの普及を目的に掲げる。2004年に発足し、ロイヤル・ダッチ・シェル(イギリスとオランダの国際石油資本)、リオ・ティント(イギリスとオーストラリアの鉱物資源開発大手)、国連環境計画(UNEP)、国際金融公社(IFC)、国際自然保護連合(IUCN)をはじめ、10年10月現在で約50の企業、国際機関、民間NGO(非政府組織)などが参加。10年3月には日本から初めて、みずほコーポレート銀行が加盟した。その背景には、金融界においても、大規模開発プロジェクトに融資する際、自然や地域社会への配慮が求められるようになっていることがある。BBOPは04年から世界6カ所で生物多様性オフセット事業を試験的に実施しており、その成果をふまえて、11年にオフセットの世界共通の指針を発表する予定。また10年10月18日から愛知県名古屋市で開かれる生物多様性条約第10回締約国会議(国連地球生きもの会議)でも、議題の一つとして生物多様性オフセットが取り上げられる。