東京証券取引所とロンドン証券取引所の合弁で創設され、2009年6月1日から取引業務を開始した新興市場。08年改正の金融商品取引法で開設が認められたプロ向け市場で、参加者は、機関投資家、資本金5億円以上の株式会社、3億円以上の資産をもち1年以上の取引経験がある個人など、取引知識や経験が豊富なプロ投資家に限定される。システムや規則は、ロンドン証券取引所が1995年に開設した国際市場のAIMをモデルとし、従来の市場と比べて上場基準が大幅に緩和されている。たとえば、上場に際しては株主数、時価総額基準、利益水準などの数値基準がなく、上場適格性の審査も、取引所ではなく証券会社などの指定アドバイザーが行い、上場後の規則順守も、指定アドバイザーが指導する。また、内部統制報告書や四半期決算開示は任意で、決算は年2回、会計基準も日本基準以外に国際会計基準やアメリカ基準が認められ、情報開示言語も日本語以外に英語も選択できるなど、プロを対象とすることで情報開示が簡素化され、企業の上場にともなう制約を減らしている。TOKYO AIMは、国内外の幅広い資金調達と、アジア企業など国際的な成長企業の上場を呼び込んで、世界的に地位低下がささやかれる東京市場の浮揚と活性化を図るねらいがある。なお、業務開始時には上場企業はなく、上場による取引の開始は2009年夏以降といわれている。