一部の経営陣が留任したままで行うという会社更生の手法。経済的に行き詰まった株式会社の更生計画を、債権者など利害関係者の同意の下に策定し、事業の再建を図る会社更生法の適用が決まった場合、通常は、申請した企業の現経営陣は責任を取って総退陣する。DIP型では、業務の内容をよく知っている経営者に引き続き経営に当たらせることで、より円滑に、早期に再建を進められるというメリットがあるとされる。DIPとは「debtor in possession」の略で、占有(possession)を続ける債務者(debtor)という意味。現経営陣が辞める必要がなく、手続きにコストがかからない民事再生法の活用が増えたこともあり、2009年以降は、会社更生法でも同様の手法が取れるように運用が改められた。DIP型を適用するには、主要な債権者や再建を支援するスポンサーなどの同意が必要とされる。10年9月28日に、消費者金融大手の武富士が東京地方裁判所に会社更生法の適用を申請した際に、DIP型を採用。代表権を持つ社長と創業家の副社長は退陣したが、取締役だった吉田純一が新社長に就任した。