1913年の連邦準備法(Federal Reserve Act)に基づいて設立されたアメリカの中央銀行制度は、連邦準備制度(FRS ; Federal Reserve System ; Fed ; The Fed)とよばれる。日本の日本銀行、欧州連合(EU)の欧州中央銀行(ECB)などと異なり、連邦準備制度理事会、連邦公開市場委員会、連邦準備銀行など、複数の組織が分担して中央銀行の役割を果たす。このうち連邦準備制度理事会は、FRSを統括する最高意思決定と政策決定の機関で、FRBを中央銀行そのものの意味として用いる場合もある。日本では連邦準備理事会とも呼ばれる。理事会は、上院の承認を得て大統領が指名する任期14年の7人の理事で構成され、理事の中から任期4年(再任可)の議長1人、副議長1人が選ばれる。議長は中央銀行総裁に相当する役職で、現在は2006年2月に就任したベン・バーナンキが務める。その前任は1987年からアラン・グリーンスパンが務めた。連邦準備制度理事会は公開市場操作の方針を決める連邦公開市場委員会(FOMC ; Federal Open Market Committee)を開催する。また、連邦準備制度理事会の下には、連邦準備銀行(Federal Reserve Bank)が置かれ、中央銀行の業務を執行する。連邦準備銀行はアメリカ全土を12の地区に分け、それぞれの地区の主要都市に設置されており、ニューヨーク連銀、アトランタ連銀、ボストン連銀、シカゴ連銀、クリーブランド連銀、ダラス連銀、カンザス連銀、ミネアポリス連銀、フィラデルフィア連銀、リッチモンド連銀、サンフランシスコ連銀、セントルイス連銀の12の地区連銀がある。