温室効果ガスの排出削減量証明のこと。先進国間で取引することが可能で、「排出枠」「クレジット」ともいう。1997年のCOP3(第3回気候変動枠組み条約締約国会議)で採択された京都議定書では、先進国の温室効果ガス削減の目標達成のため、超過削減分を他国に譲れる排出量取引や、開発途上国での排出削減事業を支援した先進国が、削減量の一部を自国のものとして計算できるクリーン開発メカニズム(CDM)などの仕組みが決められている。2011年7月15日、モロッコで開催された第62回国連CDM理事会で、福岡大学と福岡市が1975年に共同開発した埋め立て技術の「準好気性埋立構造(福岡方式)」による埋め立て地の環境改善が、カーボンクレジットとしての新たな手法として認定された。福岡方式ではごみの埋め立て地の底に直径約60センチの配水管を多数埋設して生ごみの汚水を排出し、土中のバクテリアにより有機物の分解を促進させることができ、温暖化係数が二酸化炭素の21倍であるメタンガスなどの発生を50%削減できるという。生ごみを焼却せずそのまま埋め立てる途上国ではメタンガス発生の抑制効果が期待でき、中国やベトナムなどアジアを中心に13カ国で導入されている。