2011年8月19日に1ドル=75.95円と、戦後最高を更新した超円高に対処するため、野田佳彦財務相(当時)が8月24日に発表した、円高対応緊急パッケージの主要策で、1年の期間限定対応。低利でのドル融資を通じて、日本企業による海外企業のM&A(合併・買収)や資源エネルギーの購入・開発、中小企業の輸出を支援し、民間企業のドル需要を喚起する。政府の介入なしに、民間の力を活用して市場を円安方向に誘導するとともに、国富の増大を図る。具体的には、外国為替資金特別会計(外為特会)の外貨準備高約1兆1000億ドルのうち、最大1000億ドル(約7兆6000億円)で円高対応緊急ファシリティを創設し、日本政策金融公庫の国際部門である国際協力銀行(JBIC)に融資する。JBICも1500億円規模の出資をし、そのほかの銀行とともに民間企業にドル建ての融資を行う。この融資を呼び水に、民間企業のドル買いを進ませ、円安に導くことを狙いとする。財務省は最大4兆~5兆円の民間資金がドルに転換されると予想している。