交易条件の変化で生まれる、一国の経済における貿易の利益、あるいは損失を表した言葉。実質国内総所得(GDI)と実質国内総生産(GDP)との差をさす。交易条件とは一国の財貨と他国の財貨との数量の交換比率を示したもの。自国から同量の輸出を行っても、それと交換される海外からの財やサービスの輸入量は、条件で異なり、その変動で所得は増加したり減少したりする。日本は2000年代初めまでは所得の流入(交易利得)が続いたが、新興国の台頭による国際競争で輸出価格が低く抑えられたことや、資源価格の高騰などから交易条件が悪化、11年には所得の流出(交易損失)が17.3兆円と、過去最大を記録した。