国が実施する空港の建設や設備維持の財源を円滑に調達する目的で、1970年に創設された特別会計。地方自治体が進める空港整備への補助金も、空港特会から支出されている。特別会計は、特定の事業などについて主に受益者に負担を求めるもので、空港特会では、一般会計からの繰り入れのほか、乗客から徴収する空港使用料、航空会社が支払う着陸料、航空機燃料税の一部が財源となっている。2009年度の当初予算では、歳入5301億円のうち空港使用料などが2143億円を占めた。先に設けた予算枠で空港整備を行う特別会計の仕組みが、採算のとれない地方空港を乱立させたとの批判があり、09年9月には前原誠司国土交通大臣が、空港特会の抜本的な見直しを進める考えを表明した。なお、近年では特別会計改革として特別会計の統合や整理が進められており、空港特会も08年度に道路整備、港湾整備などの四つの特別会計と統合され、社会資本整備事業特別会計となった。名称も同会計の空港整備勘定と改められたが、運用の枠組みは維持されている。