政府の緊急雇用対策本部が2009年10月に発表した「緊急雇用対策」の柱の一つで、成長が見込まれる三分野で重点的に雇用の促進を図る取り組みのこと。成長分野には介護、地域社会、グリーンが挙げられ、グリーン分野では農林水産、環境・エネルギー、観光を対象としている。地域社会分野では、NPOや社会起業家が取り組むまちづくりなどで雇用の創出を図る。特に、働きながら資格を取得する者への支援が特徴で、例えば介護分野では、新たに人材を雇用した事業主に対して、人件費に加えて、被雇用者が介護福祉士やホームヘルパー2級の資格を取得するための研修費用を、緊急雇用創出事業の基金から拠出する。同事業は、2008年度の第二次補正予算に盛り込まれていたもの。今回のプログラムで、最長1年としていた基金の利用期間を最長2年にするほか、適用の要件を緩和した。緊急雇用対策は、09年7月に完全失業率が過去最悪の5.7%を記録するなど、世界的な景気後退の影響で厳しい状況にある雇用情勢の改善を目的として、鳩山由紀夫首相を本部長とする緊急雇用対策本部が決定した。09年度末までの緊急対策として、主に既存の施策を改善して実施される。「緊急雇用創造プログラム」のほか、貧困・困窮者、新卒者の支援を目的とした「緊急支援アクションプラン」などを進めることで、09年度内に約10万人分の雇用創出と雇用の下支えが可能としている。