埋もれた先端技術や特許の活用や事業化を支援するための官民投資ファンド。2009年4月に成立した改正産業活力再生法(産業再生法)に基づいて、09年7月27日に、設置期間15年の限定で設立された。単独では事業化が難しい新技術、特許の集約を支援するとともに、環境エネルギーや医療・ライフサイエンス(生命科学)分野など、今後、高い成長性を期待できる新産業を育成するねらいがある。投資の対象となるのは、企業、大学のもつ先端技術、特許の事業化や、成長が見込まれるが資金力の乏しいベンチャー企業への出資、大企業の事業戦略で切り離されたり再編される技術や事業への出資など。投資先の選定は、民間人による中立機関、産業革新委員会が、収益性などを審査し、決定する。発足時の出資金は905億円で、そのうち820億円は政府が出資、残り85億円をパナソニック、旭化成などの民間企業、計16社が出資する。また、民間金融機関からは8000億円を上限に政府保証付きの借り入れができるため、資金力の規模は約9000億円と、日本では有数のベンチャーファンドとなる。社長には、能見公一元あおぞら銀行会長が就任した。