本来の標準税率よりも低く設定された税率のこと。消費税の場合、標準税率が高くなると、高所得者より低所得者層のほうが収入に対する税負担が多くなるという逆進性の問題が発生する。これを回避するために、食品などの必需品については税率を下げることで対応するというもの。欧州連合(EU)諸国では、欧州理事会指令により標準税率は15%以上とするが、品目によっては税率5%を超える2種類の軽減税率を導入できるという取り決めがあり、たとえば食品や医薬品など具体的な品目については軽減税率を適用している。2012年5月、社会保障と税の一体改革素案でまとめられた7つの関連法案が衆議院本会議で審議入りした。関連法案のうち、特に注目されているのが消費税率引き上げ法案で、改革案では「14年4月1日より8%、15年10月1日より10%へ段階的に引き上げ。逆進性問題については、給付付き税額控除などで対応」としており、軽減税率の導入を求める自由民主党や公明党との間で調整が進められている。