アパートなどの賃貸住宅で、一般に入居時に請求される敷金・礼金、仲介手数料が不要(ゼロ)な物件。2001年度から6年連続で貸家の着工戸数が増加するなど、賃貸住宅市場が飽和状態にある中で、他物件との差別化を図る目的からゼロゼロ物件は増えている。入居時の初期費用を抑えたい若者層や、敷金・礼金の習慣がない外国人の利用が多いが、一部の不動産業者には、借地借家法の建物賃貸借規定による「賃貸借契約」ではなく、ホテルの宿泊に近い「施設付鍵の一時使用契約」を結ぶ例があり、トラブルが報告されている。家賃を数日滞納しただけで、業者が無断で鍵を交換して借り主の入室を妨害し、違約金や施設再利用料を請求する例もある。「施設付鍵の一時使用契約」は、借り主の保護を原則とした建物賃貸借規定の対象外となるため、直ちに違法とは言えないのが現状。08年7月には、東京都に本社をおく不動産業者による被害者が提訴を発表し、被害対策弁護団が結成された。