国内最大手の広告代理店、株式会社電通が毎年春に発表する、日本国内の広告費を推定したレポート。前年の1年間に使われた、新聞、雑誌、ラジオ、テレビのマスコミ四媒体、衛星メディア関連、インターネット、プロモーションメディアなどの広告媒体料と広告制作費について、媒体社や広告制作会社の協力を得て推定している。2010年2月22日に発表された「2009年日本の広告費」では、広告費の総額は5兆9222億円で、前年比11.5%減と、1947年の同社の統計開始以来最大のマイナス幅を記録した。2008年9月のアメリカのリーマン・ブラザーズ破綻をきっかけとした金融危機の影響で、各企業が広告費を抑えた結果だという。特にマスコミ四媒体の広告費は、いずれも前年比10%を超える減少となった。新聞広告費は、08年の8276億円が09年では6739億円となり、前年比18.6%減と大きく落ち込んだ。雑誌広告費も、09年は3034億円で前年比25.6%減と下落幅が大きく、4年連続の減少。一方で、インターネット広告費は、1996年以降伸び続けており、2009年は7069億円で前年比1.2%増と、08年の前年比16.3%増と比べれば、伸び率は不況の影響で大きく鈍化したものの、統計開始以来初めて新聞広告費を逆転した。検索連動型広告や、携帯電話向けのモバイル広告が好調だったという。