垂直統合とは、企業が製品やサービスを供給する際、部品製造などの上流部門から販売などの下流部門に至るサプライチェーン(供給網)のうち、必要な工程を企業統合などにより自社(やグループ)に取り込むこと。たとえば、シャープやパナソニックなどの家電メーカーが、液晶パネルの開発から部品製造、薄型テレビの組み立てまで自社で担うような事業モデルを指す。ほかにも、古くは自動車メーカーによる部品供給会社や販売店の系列化、ユニクロに代表される企画・生産・販売を一体化して行うSPA(specialty store retailer of private label apparel 製造小売り)なども、垂直統合型のビジネスモデルである。製品やサービスの安定供給、需要への対応力の向上、中間コストの削減などが見込める。一方、水平統合とは、同業同士で企業統合などをすることにより、規模の経済性を目指すもの。資金を集中することができ、マーケットシェアの拡大にもつながる。2007年に大丸と松坂屋が共同持ち株会社Jフロントリテイリングを設立したような、相次ぐ大手百貨店の統合などが該当する。垂直統合、水平統合いずれの場合も、企業同士のM&Aや持ち株会社の設立による提携など、さまざまな統合の形がある。