国の歳入不足を補うため、人件費や事務諸経費など資産として残らない支出にあてる国債を発行するとき、必要とされる特別立法。1947年に制定された財政法では、財政の健全性を守るため、国は「公債又は借入金以外の歳入」を財源にしなくてはいけない、として公債の発行を原則禁止と定めている。ただし、「公共事業費、出資金及び貸付金の財源」としては公債を発行することができ、道路やダムなど、インフラ建設の財源として「建設国債」が発行される。これに対し、特例公債は「赤字国債」ともいわれ、税収や建設国債などでも歳出が不足したときに補う財源とされるが、法的根拠がないため、毎年度、特例公債法(財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律)を成立させて発行する。特例公債は、第1次石油危機後の75年に初めて発行され、バブル経済期は中断されたが、95年以降、毎年発行されるようになった。2011年度予算としては、一般会計総額92兆4000億円のうち、38兆2000億円の特例公債を発行する法案が提出された。