東京証券取引所(東証)と大阪証券取引所(大証)が経営統合し、2013年1月1日をめどに合併して誕生する新持ち株会社の名称。11年11月22日に東証と大証による共同記者会見で正式発表された。最高経営責任者(CEO)は東証の斉藤惇社長、最高執行責任者(COO)には大証の米田道生社長が就任する。統合により、新会社に上場する企業の株式時価総額は約3.6兆ドル(11年10月末時点)となる。これはニューヨーク証券取引所とヨーロッパの国際金融先物取引所ユーロネクストが07年に経営統合したNYSEユーロネクスト、アメリカの新興企業向け市場ナスダックと北欧のOMXが08年に経営統合したナスダックOMXグループに次いで、世界第3位の規模となる。合併までの第1ステップでは、まず公正取引委員会に合併審査を申請し、公取委の了承を得たうえで、12年夏ころに東証が大証に対して1株48万円でTOB(株式公開買い付け)を実施。TOB成立後、第2ステップとして合併契約を締結し、両社の臨時株主総会で合併契約の承認を得る。合併時には、大証が存続会社として持ち株会社である日本取引所グループを新設し、時価総額ベースで大証1対東証1.7(1株ベースでは大証0.2019株対東証1株)の株式交換によって、東証の持ち株会社を統合する。東証・大証の名称は残し、日本取引所グループの傘下に、(1)現物市場を運営する東証、(2)デリバティブ(金融派生商品)市場を運営する大証、(3)上場審査などを行う自主規制法人、(4)決済を行う清算機関(JSCC)、の4社を置く。ロンドン証券取引所とカナダのTMXグループ、NYSEユーロネクストとドイツ取引所など、大型合併が続く世界の証券取引市場で、規模の拡大や金融商品の多様化、システム統合によるコスト削減などによって、競争力強化を目指す。また、投資家や証券会社、上場企業にも資金の効率的利用や取引コスト削減などのメリットをもたらすとしている。