国や地方自治体、政府系機関などの公共セクターが実施する公共事業の受注や物品の購入などを、外国企業にも平等に開放するとのルールを定めた世界貿易機関(WTO)の協定。政府調達の規模は、一般的に各国経済の10~15%程度を占めるとされる。協定は一定額以上の調達に、内外無差別の競争入札を義務づけ、海外展開を図る企業にとっては販路開拓の可能性が広がり、政府にとっては国際的な競争の結果、物品などの購入をより安くできるというメリットがある。GPAはWTO加盟国のうちGPAを結んだ国家間で発効する協定で、2011年12月現在、アメリカ、EU(欧州連合)27カ国、カナダなど42カ国が加盟し、さらに中国をはじめ9カ国が加盟申請中となっている。1979年に初めて締結されたGPAは、国の物品購入を対象とした協定であったが、GATTウルグアイ・ラウンドと並行して進められた交渉で、地方政府や政府関係機関など協定の適用対象の拡大、サービス調達への適用、調達に対する苦情処理制度の導入などの改定がまとめられ、94年に署名、96年に発効した。その後も改定交渉は進められていたが、2011年12月15日、WTO・GPA閣僚会議で新協定が最終合意に達した。17年ぶりの改定となる新協定では、対象となる公的機関の拡充と調達範囲の拡大、開発途上国を対象とした加盟推進のための条項の導入、電子入札制度の導入といった、より効率性を重視した国際的ルールが規定された。WTOでは、改正による新協定の対象市場規模は、年間1000億ドルに達するとしている。