2012年5月29日、政府の知的財産戦略本部(本部長・野田佳彦首相)が決定した日本の知的財産戦略。日本産業の国際競争力を高めることを目的として、同本部は毎年、知的財産推進計画をまとめている。12年版では、以下の2つの戦略を推進していくことを柱とした。(1)知財システムの国際的な競争力向上、国際標準化の推進、知財人材の育成などを盛り込んだ「知財イノベーション総合戦略」、(2)クールジャパンの推進、電子書籍の流通促進、デジタル化に対応した著作権の環境整備などを盛り込んだ「日本を元気にするコンテンツ総合戦略」。また、重点施策として以下の3つを挙げている。(1)次世代自動車や鉄道など、7つの特定戦略分野における国際標準化戦略の推進、(2)中国語や韓国語の特許文献を日本語で検索できるシステムの整備など、国際競争力の強化支援、(3)アジアを中心に世界市場を狙うコンテンツの支援や、外国人誘致のためのコンテンツ特区の推進など、成功モデルの創出。約200項目の施策について担当府省ごとに実施内容を定めた工程表もまとめ、それにしたがって計画の実施を図る。