インターネット専用の生命保険会社のこと。家庭やオフィスに訪問したり、対面販売をする営業社員を持たず、保険料の試算から申し込み、審査までをウェブ上で行うというもの。クレジットカードによる本人確認で契約までウェブ上で済ますことができるサービスを行っているところもある。ネット生保の草分けは、ライフネット生命保険とSBIアクサ生命保険で、2008年から営業を開始。それまで生命保険会社が扱う医療保険や死亡保険は、ウェブ上で試算や資料請求はできても、実際の申し込みや契約は書類の送付や対面で行うというのが主流だったため、大きな話題となった。経営の面では、多くの営業職や店舗を抱えないで済むことから保険料を抑えた商品を提供できるというメリットがある。消費者の側も、インターネットに接続できる環境であれば24時間好きな時間に申し込みができるので、その利便性から若い世代を中心に契約者が増えている。なお、10年2月、SBIホールディングスはSBIアクサ生命保険の株式をフランスの生命保険会社アクサに譲渡し、ネット生保事業からの撤退を発表。一方、損保ジャパンDIY生命保険とAIGエジソン生命保険の2社が、10年度中にネット生保事業への参入を発表している。両社とも申し込みをウェブ上で完結できるシステムの導入を進めている。