4月の入社時期前後に、内定者や新入社員に対して理不尽な要求やパワーハラスメントなど不当行為を行い、「自主退職」に追い込むこと。2009年には内定取り消しが社会問題となり、厚生労働省が悪質な企業15社を公表するなどしたため、内定を取り消すのではなく、入社させた上で「自己都合」退社を強要しているという見方がある。出社・退社時間や電話の応対などに関し、些末(さまつ)なことで怒鳴り続けたり、反省文を毎日書かせたりした上で、「自己都合」とした退職届にサインさせたりする。「適性がない」「協調性がない」などを理由として解雇する場合もある。とりあえず多めに採用し、後で適当に切ればよいと考えていたとしか思えない企業もあるとされ、09年4月に1300人の新卒者を採用しながら、直後から9月末にかけて1600人の社員を削減する「退職勧奨」を行った人材派遣企業のケースなどがある。正当な理由がない限り解雇は無効だが、「自己都合」として届けを出してしまった場合、企業の責任を問うことは難しくなる。また「新卒」としての就職機会を奪われる、「仕事が続かない人」と見られてしまう可能性がある、など将来にわたる不利益を被る場合も多い。