河川や農業用水路、砂防ダムなどで、水の落差と流水量によって水車などタービンを回して発電する水力発電のうち、少発電量のものをいう。発電量の確固とした定義はなく、日本の新エネルギー法などでは1000キロワット以下としているが、一般的には出力1万キロワット以下のものを小水力としている。地方自治体やNPO、民間企業や個人などが運営する場合が多い。自然破壊の恐れがなく、二酸化炭素もほとんど排出しないなど、環境に優しい上、同じく自然エネルギーを利用する太陽光発電や風力発電に比べて、昼夜を問わず、年間を通じて一定の発電量が見込め、経済性も高いという利点がある。ただ、水利権の問題や、複雑な法律手続きなど、普及をはばむ難点もある。近年、市民の出資などによるまちづくりの一環として、地域ぐるみで水車による水力発電に取り組むケースが増え、山梨県都留市や福岡県京都郡みやこ町など、各地で水車による小水力発電が行われている。