発展途上国の貿易や経済開発の促進に関する、国際的な合意形成を目的とした国連の機関。UNCTADはアンクタッドと読む。第二次世界大戦後、植民地から独立した国々の多くが経済的困難に直面し、発展途上国と先進国との経済格差、いわゆる「南北問題」が浮上したことを背景に、1964年に設立された。本部はスイスのジュネーブ。2012年現在の加盟国数は194カ国で、日本は設立時より加盟している。事務局長はタイのスパチャイ・パニチャパック(05年就任、2期目)。約4年おきに総会を行っており、12年4月にはカタールのドーハで第13回総会が開催された。この他、毎年秋には常設機関の貿易開発理事会(TDB)を開く。1981年から、年次報告として「貿易開発報告書」(TDR ; the Trade and Development Report)を発行しているほか、91年からは地域ごと、および国ごとの海外直接投資の動向を分析した「世界投資報告書」(WIR ; World Investment Report)なども出版している。