中国が自国の製品・サービスの購入を優遇すること。2008年秋以降に広がった世界不況では、中国政府は4兆元(1元=14円で56兆円)の景気刺激策を発表した。09年5月下旬、その一環となる政府調達について、地方政府に対して、政府の支援プロジェクトでは外国の製品・サービス購入には政府の認可が必要であり、国内で入手不可能か、妥当な条件で購入できない場合を除いて中国の製品・サービスを購入すべき、との通達を送ったことが明らかとなった。自国製品の優遇では、2月に成立したアメリカの景気対策法に盛り込まれたバイアメリカン条項が保護貿易につながるとして世界的な批判をあびた。中国もバイアメリカン条項に強く反対し、「バイチャイニーズ」を否定した経緯もあって、通達の存在は世界に波紋を広げることとなった。中国政府は、自国製品の優先購入の義務づけ規定が盛り込まれた02年の政府調達法に沿った措置であること、また、内外の差別を規制したWTO(世界貿易機関)政府調達協定には不参加のため協定違反もない、との立場を表明している。