顧客の資産運用を代行したり、投資への助言を行う専門会社。契約資産の大半は、国内外の年金基金や機関投資家からの資金で、一部富裕層の個人資産も扱う。投資顧問業には、投資に必要な権限を委任された投資一任契約に基づいて顧客の資産運用を行う「投資運用業」と、金融商品への投資判断について助言を行ったり、また投資に関する顧客と業者との契約を代理で行う「投資助言・代理業」とがある。いずれも内閣総理大臣の登録を受けることが義務付けられている。日本では、1986年に投資顧問業法が成立し、90年の規制緩和により、従来信託銀行や生命保険などに限られていた厚生年金基金の資産運用について、投資顧問会社が参入できるようになった。日本証券投資顧問業協会によると、2011年9月末の契約資産は146兆148億円。12年2月24日、証券取引等監視委員会によるAIJ投資顧問株式会社への検査で、同社が受託していた年金資産の約9割に及ぶ約2000億円についての運用状況が確認されなかったことを受けて、財務省関東財務局が、同社に対して1カ月の業務停止命令などの行政処分を行った。また同月29日、金融庁が、投資顧問会社のうち投資運用業の全265社に対して、顧客の属性や勧誘方法などについての報告命令を出すなど、投資顧問会社に対する初の一斉調査を開始した。