女性のキャリア支援と、仕事と家庭の両立支援を積極的に進めており、かつ高い経営効率を実現している企業。女性の活躍を推進する企業のすそ野を広げるため、東証一部上場企業の中から、経済産業省と東京証券取引所が共同で17業種から1社ずつ、計17社を選定し、2013年2月に発表した。育児休暇利用後の復職率が高い積水ハウスやアサヒグループホールディングス、1958年から女性管理職を登用してきた東レ、社内に託児所を設置する日産自動車や花王などが選ばれた。近年、女性役員比率が高い企業や、ワークライフバランスの環境整備が進んでいる企業は、株主資本利益率(ROE)や生産性が比較的高いという報告が複数なされており、それは人材活用能力や環境変化への柔軟性、女性顧客からのニーズへの対応力などに優れているためだと考えられている。実際になでしこ銘柄の多くも、既に市場で高く評価されている。東証は、2012年から+YOUという試みの一環として、一部上場中の銘柄を個人投資家に向けてテーマ別に紹介してきたが、こうした報告を受け、第3回のテーマとして「女性」を取り上げた。一方、経産省も、企業の競争力の向上に加え、少子高齢化社会における就業人口の維持につながるという、日本経済再生の観点から女性の活躍を推進することに着目しており、「なでしこ銘柄」を共同の事業として選定した。経産省は12年から、女性を含めた多様な人材を登用している企業を選定する「ダイバーシティ経営企業100選」の実施も進めており、相乗効果も期待している。選定されたのは前述の5社のほか、マルハニチロホールディングス、住友ゴム工業、旭硝子、大同特殊鋼、住友金属鉱山、ダイキン工業、ニコン、東京急行電鉄、KDDI、豊田通商、ファーストリテイリング、三井住友フィナンシャルグループ。