遠出や外出を控えて、手近な楽しみや家庭で余暇を過ごすことを目的にお金を使う消費者の行動のこと。鳥が巣に居着くように生活することから、巣ごもり消費、巣ごもり、などと表現される。交通費や外食費などを抑える、生活防衛的な消費行動として取り上げられることが多いが、アメリカでは、2001年に起きた9.11テロをきっかけとした社会不安から、巣ごもり消費が広がった例もある。日本では、08年前半に食品価格や石油製品の高騰から、遠出を控えて休日を自宅や家庭で過ごす傾向が目に付くようになり、9月のアメリカの金融危機をきっかけに広がった景気の後退で、節約志向の巣ごもり消費が鮮明となった。08年クリスマスから年末にかけての商戦では、デジタルカメラなどの嗜好品や外食が落ち込んだ半面、自宅で楽しく過ごすための薄型テレビやゲーム機などの娯楽機器、調理家電、食品などは、販売好調が伝えられた。また、年末年始の海外旅行でも、韓国や香港など近場が人気を集めた。